転ばぬ先の認知症予防

アルツハイマー型認知症の危険因子として、頭部外傷の既往が、まず第一に挙げられます。頭部外傷といっても、脳しんとうのように脳の組織に特に損傷を与えないもの、また脳挫傷といい脳組織に損傷を与えるものもあります。また、臨床的には意識消失のあった場合、なかった場合など、その重症度にはいろいろ差があります。

もう一つは、ボクシングの選手に起こる“拳闘家認知症(パンチドランカー)”という言葉です。反復して頭部に外傷を受けたためにボクサーに出現する認知症のことです。つこの言葉は、頭部外傷と認知症の関連を的確に表している病名といえます。
アルツハイマー型認知症の脳の変化として、老人斑およびアルツハイマー原線維変化というものが出現します。これがアルツハイマー型認知症の診断基準となっています。ボクサー、特にノックアウトが多かったボクサーの例では、若年にもかかわらず、これらアルツハイマー型認知症と同じ変化が出現することが確認されています。
階段転倒を避け得る方法はありませんが、日頃から運動を心がけ、体を身軽に動かせるようにしておくことが認知症の予防に役立ちます。つまり、転倒しても頭部を打たないように身をかわすなど、機敏に反応できるようになるからです。
また、家庭内ではバリアフリーにし、階段には滑り止めや手すりを取り付けるなどの工夫をする、つまずかないように薄暗い所に照明をつけるなどが必要でしょう。

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