パーキンソン病

パーキンソン病は、原因不明の神経変性疾患で、主に40歳~50歳以降に発症し、ゆっくりと進行するのが特徴です。この病気は、神経伝達物質の一つであるドーパミンが減少してしまうために起こると考えられています。
パーキンソン病と言えば、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主役を演じたマイケル・J・フォックスが30歳の若さでパーキンソン病を発症したことは有名です。
日本でのパーキンソン病の有病率は、人口1,000人当たりに約1人と言われていますので、日本全体では約10万人前後の患者がいると推定されています。高齢化社会を迎える我が国では、今後ますます患者数が増えると考えられています。

パーキンソン病は50~60歳代で発病することが多いのですが、70歳代以上の高齢で発病する方も稀ではありません。また、40歳前に発病する方もいます。
パーキンソン病は、一般的には遺伝する病気とは考えられていませんが、年齢の若い段階で発病した方の中には、遺伝子の異常が原因である方がいる事が解ってきています。

パーキンソン病の原因

中脳の黒質

パーキンソン病は、脳内のドーパミンという物質が不足するために発病することがわかっています。
中脳の黒質といわれる部分の細胞が、何らかの原因で減少している事が確認されています。黒質の神経細胞は、大脳基底核と呼ばれる場所へ接続していますが、その間の神経同士の連絡のやり取りにドーパミンが使われています。
黒質の細胞の減少が起こっている事によって、ドーパミンが十分な量が作られなくなると、神経同士の連絡に不具合を生じる事でパーキンソン症状を起こすと考えられています。なぜ黒質の細胞が減少するのかは、今のところ不明な点が多く十分に解明されたとはいえませんが、複数の要因が関係していると考えられています。
パーキンソン病は、ドーパミンが正常量の20%を下回ると発病すると考えられていますが、それだけではなく別の神経伝達物質とのバランスが崩れる事も症状の理由とされています。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病の症状は、手足のふるえ(振戦)、手足のこわばり(固縮)、動作が緩慢(寡動、無動)、転びやすくなる(姿勢反射障害)、が代表的な特徴です。

まず、片側のみの症状から始まるのが特徴で、その後徐々に他の部分へ進行していきます。その他の症状に、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状、睡眠障害、抑うつなどの精神症状が見られます。
具体的な運動症状には、以下のようなケースがみられます。

  • じっとしている時に片側の手や足がふるえる(安静時振戦)
  • 表情が乏しく抑揚の無い声になる
  • 関節が硬く引っ掛かりを持つ(歯車様固縮)
  • 立ち姿が少し前屈みで歩き方が小刻みである
  • 歩く際に手を振らない
  • 歩き始めや途中ですくむと次の一歩がなかなか出ない
  • すくんでも音や線をまたぐなどをきっかけに良くなる
  • 身体がどちらかに傾く
  • 字が小さくなる

具体的な精神症状には、以下のようなケースがみられます。

  • 気持ちの落ち込み
  • 意欲、自発性の低下
  • 夜間の不眠
  • 認知症状

自律神経症状には、以下のようなケースがみられます。

  • よだれが多くなる
  • 顔が脂ぎってくる
  • トイレが近くなる
  • 汗が多くなる
  • インポテンツ
  • 手足のむくみ

また、身体の痛みが起こる事もあります。

パーキンソン病の治療

現在では、パーキンソン病の治療にはいくつもの選択肢があります。

薬物治療

パーキンソン病の原因である不足したドーパミンを補う事で症状を緩和する薬物治療が最も重要となりますが、今では飲み薬として直接補充する事ができるようになっています。
また、ドーパミンの働きを補助する点に作用する複数の薬剤が使用できるようになっています。効果の異なるクスリを複数組み合わせることで、より効果的な治療を行うなど、きめ細かい対応が行われています。各種薬剤の用法・用量については、それぞれの患者さんの症状、年齢などを考慮して判断しており、病状に合わせた適切な治療を行うためには、定期的な診察が必要となります。

リハビリテーション

パーキンソン病では、運動症状が主な症状であることから、リハビリテーションとして様々な運動療法が行われています。それらは病状の安定や緩和、日常生活の向上といった面で大切な治療と位置づけられています。
ストレッチ運動などは、毎日の習慣として取り組んでいる方も多く、病状に合わせたより専門的なトレーニングと合わせて、症状の軽減や苦痛の緩和に有益な治療となっています。

手術治療

クスリとリハビリテーションを補充する治療として手術治療があります。薬剤の効き方が一定でない事、副作用が出てくる事、薬剤の調節によっても良くならない症状があるなどのマイナス面を補うためという位置づけのようです。
特定の症状の緩和を目指した手術は以前より行われきましたが、最近になって、脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation: DBS)と呼ばれる治療法が開発され、このDBSがパーキンソン病の症状緩和に一定の効果が得られる事がわかってきました。原因を取り除く手術では無いので、全ての患者に適用できる治療法ではありませんが、薬剤やリハビリテーションの効果が乏しい特定の病状の方には優れた症状緩和効果を示す場合があり、第3の治療として位置づけられています。

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