物忘れと認知症の違い

単なる物忘れ

誰でも歳をとれば物忘れをしたり、同じ話を何度も繰り返す自分に気がつく時があるものです。

人の名前が思い出せない。
(管理人などはしょっちゅうです)
どこかにしまい忘れた。
(これもだ!)
何を探しているのかすら忘れた。
(よくある!)

などなど、一時的な「物忘れ」「ど忘れ」は、40~50歳代で特徴的な、「生理的な老化」であることがほとんどです。(あ~、良かった)

これは、いわゆる「認知症としての記憶障害」とは異なるものです。

物忘れをする原因の多くは、「注意力の低下」によるものですので、「記憶しようと意識していなかったから記憶に残らなかった」というだけの話です。もっと若い頃でしたら、脳の注意力、集中力は高かったので、いちいち意識しなくても簡単に覚えていられたのですが、歳をとると、注意力、集中力が衰えるので、記憶に残すことができなかったのです。
一般的に、記憶力は10代後半から20代前半にかけて、最高に達し、その後は老化の一途をたどっていきます。
繰り返しますが、このような記憶力の低下は、単なる物忘れですので、誰でも起こりうる正常な脳の働きなのです。ご心配なく!

認知症による物忘れ

これに対して「認知症による物忘れ」は、経験したことをそっくり丸ごと忘れてしまうといった特徴があります。
例えば、電話の内容を忘れるだけでなく、電話があったこと自体をそっくり丸ごと忘れたり、食事に何を食べたか忘れるのではなく、食事をしたそのこと自体をそっくり丸ごと忘れ、「食事はまだ?」などと言ったりするのは、明らかに認知症による記憶障害といえます。

  • 内容を忘れるのは「単なる物忘れ」
  • エピソードや出来事自体を忘れてしまうのは「認知症」

ということになります。

現実には、このような症状が現れてから病院に行っても手遅れであることが多く、認知症はかなり進行しているとみられるようです。

認知症で出てくる症状

記銘力・記憶力障害 記銘力とは新しいことを覚える能力のこと。認知症では古い記憶よりも新しい記憶が無くなる傾向がある。
見当識障害 場所や時間に対する感覚が衰え、進行すると季節感がなくなり、昼夜の区別がつかなくなる。
計算力障害 買い物で、おつりの計算ができなくなる。簡単な足し算引き算ができなくなる。
思考力障害 理論的に物事を考えたり、手順や段取りをうまくつけることが不可能になる。面倒なことを嫌がるようになり、頑固さが増してくる。
感情障害 不安やうつ状態が見られ、疑い深くなり「財布を盗まれた」などの妄想が現れる。
異常行動 近所を徘徊したり、同じ買い物をしたりんなど異常な行動が見られる。

残念ながら、認知症に対して、決定的ともいえる治療法は見つかっていないのが現状です。そのため、早期発見、早期治療がかかせないのです。本人やご家族が、認知症の初期症状や前兆に気づいたら、早めに専門医の診察を受けることが重要です。
単なる物忘れと認知症の初期症状・前兆とを区別するのは専門家でも大変難しいので、ともかく疑うような兆候があった場合は、気軽に専門医に相談すべきでしょう。

最近は、「物忘れ外来」はる診療科を開設する病院も増えてきています。早く発見すればするほど治療やケアが可能になるなど、認知症の治癒や進行を抑えることにつながっていきます。精神科や神経内科、脳神経外科など、とかく精神病を連想させる診療科は敷居が高いという現状もありますが、積極的に利用することが賢明だといえるでしょう。
診断や治療も日々進歩しています。脳血流SPECT(スペクト)やPET(ポジトロン断層装置)を利用して、ごく初期に認知症を発見することも可能になってきています。

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